大津市の事故を通して思う事

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今記事は釣りに関する内容は全く含まれておりません。

ですので、興味や関心のない方は閉じるボタンを押していただいて構いません。

 

ただ、1人の人間として読んでいただける方がいましたら、このまま読んでいただけると幸いです。

 

 

 

さて、昨日(5/8)に悲しい事故が起きてしまいました。

滋賀県大津市にある保育園の園児たちがお散歩中に車の衝突事故に巻き込まれ、2人の尊い命が失われてしまいました。

事件の概要はここではあえて触れなくても、みなさんはご存知だと思います。

 

私は普段は保育教諭として勤務しています。(保育教諭というのは認定こども園で働く人のことを指します。幼稚園教諭と保育士の両方の特性を合わせたものと思ってもらっていいです)

この事故のことを知ったのは、昼休み中。

速報の記事を読みながら、いかに現場が悲惨で混乱したかを想像すると、言葉が出なかったです。

 

他人ごとではない

 

おそらく、この日本で保育や幼児教育に従事ている方々ならきっと思ったはずです。

この事故は他人ごとではない、と。

もしかしたら自分にも起こり得る事故であると。

そう思うと今回引率されていた先生方のことがとても心配で仕方がありません。

保育園側に今回の事故に関しては全く落ち度はありません。

巻き込まれた被害者なんです。

でも引率された先生方はきっと責任を感じているはずです。

 

その日の夕方、誰の得にもならない保育園側の会見が開かれました。

 

もう、見ていられなかったです。

お預かりしているお子さんを亡くしてしまったことはもちろん、可愛らしく尊い笑顔を一瞬で失ってしまったのですから、圓光先生は話をすることだって辛かったはずです。

その姿に対して、まるで保育園側に責任があるような質問や、全く意味の分からない質問を繰り返すマスコミの方々。

 

「歩道を危険な場所だと思わなかったのですか?」

 

これ、なんて答えればいいんですか?

じゃあ、どこを歩けばいいんですか?

もう、怒りと呆れることしかできませんでした。

 

実は…

 

今日、私は担任しているクラスでお散歩に行きました。

昨日の今日で、です。

 

お散歩にいって、ヨモギの葉を摘み、ヨモギ団子を作る…。

事故が起きる前から決まっていたことでした。

 

私の心の中では「散歩はしない方がいいという雰囲気に負けてはいけない」という思いがありました。

でも、私はあくまで1人の下っ端職員です。

そして朝、園長に判断をあおぐと、「行ってきなさい」と。「委縮してはいけない」と。

背中を押された瞬間でした。

もちろん、いつも以上に気を張っていたのは間違いありません。

 

意味がある活動

 

みなさんにとって子どものお散歩ってどんなイメージがあるでしょうか。

私たちは意味なく園外に連れ出しているわけではないんです。

 

「お散歩に行くよ~!」と子どもたちに伝えると、子どもたちは「お散歩?イエーイ!!」と目をキラキラさせます。

園庭が狭い保育園がお散歩にいくのは分かります。でも園庭が広い園もお散歩には当然行きます。

今の時期、園の外に目を向けると、園庭にはない花や虫など、子どもたちが喜びそうな素材がたくさんあります。

園庭にいるだけでは見えてこないものがたくさんあるんです。

そしてそれは園外に出ないと経験できないのです。

ヨモギってどんな葉っぱなのかな?

ニオイはどんなニオイだろう?

お部屋で図鑑を読んでいるだけでは分かりませんよね。

 

また、いずれ子どもたちは小学校に行くようになり、道路を歩くことになります。

保育園以外の世界があることも知らなければなりませんよね。

”道路は車が通ることもあるから、ふざけてはいけない場所”と子どもたちが学ぶ場所でもあるんです。

 

歩くということにクローズアップすれば、列になって歩くって行為は実はすごいことなんですよ。

列になって歩けないとどうなると思いますか?

もし災害が起きた時に、迅速に非難しなければならない場面などで、バラバラに歩いてしまったら、逃げられるものも逃げられませんよ。

 

 

単にお散歩といっても子どもにとっては、全身で世界を学んだり、危機回避能力を身につける、とても重要な活動なんです。

 

お散歩をやめたほうがいいという言葉が出るのも仕方ないのかもしれませんが、私たちはその重要性を知っているからこそ、簡単には退けません。

きっと私の勤務する園も含めて、お散歩に対しての安全確認などが再度見直されると思います。

安全に、楽しく行けるように、保育士は常に周囲を見回し、気を張っているんですよ。

 

聞くところによると、危険を避けるために、園外活動は一切せずVRで済ますところもあるとかないとか。

どんな子どもが育つのか、本気で興味があります。

私は絶対にやらないですが。

 

#保育士さんありがとう

 

こんなハッシュタグが急上昇しているようですね。

私たちからすると「大切なお子さんを預けていただけるからこそ働く」ことができています。

ありがとうはこちらも同じなんです。

 

ただ、預けて当たり前な風潮の中、「働くことができるのは保育士さんのおかげ」とか「他人の子を何人もまとめて相手できるなんてすごい」とか、私たちの業務に対して暖かい言葉を発してくれている人が多いようで嬉しく思うのです。

 

出来ることを

 

2人の尊い命が失われてしまったこと…これはもう取り戻すことができません。

でも確実に、この事故を知った人たちには響くものがあったと思います。

 

車のスピード出しすぎてないかな?

スマホをいじりながら運転していないかな?

子どもたちの列が見えたら減速しよう

 

私たちが出来ることは、同じ悲劇を繰り返さないことです。

 

今回の事故の被害者の方々に1日も早く笑顔が戻ることを祈っています。

 




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2 件のコメント

  • お疲れ様です。いつも楽しく拝見しております。
    今回の事はRyoさんにとってはほんとうに心が乱れたことでしょう・・・
    でも、現場のスタッフが前向きに向き合っていることを知って、私も自分の考えたことをやはり続けていこうと思いを新たにしました。
    今回の事故について、歩行者の死亡事故の割合について先進国のデータと比較して分析しているものがありました。日本は事故全体は少ないけど歩行者死亡事故の割合がかなり高いとのこと・・・
    あえて言うと、「かわいそう」だけでは結果は同じ・・・現に子供たちの列に車が突っ込む事故はこの国でずっと繰り返されています・・・
    前述の文章によると、日本のこのような事故の原因は「歩行者軽視」という結論でした。
    私はヒンシュクをかおうとも横断歩道で歩行者や自転車が渡ろうとしていたら停車する、という道交法を守り始めています。蟻の一穴、子供たちにとって有意義な「散歩」が安心して続けていけるように・・・
    (大事な子供たちを「軽視」していて、バスのアフターが分かるはずがない?と勝手にはじめております・・・)

  • Tanacさん、お返事が遅れてしまい申し訳ありません。
    意図的に遅れさせていました。もう1週間前の出来事ですが、記憶を薄れさせないために、自分自身がこのコメントに返信をしようとすることで思い出そうと…。

    歩行者軽視は自分もハッとすることがあります。大きな車に乗ってるとつい気持ちが大きくなってしまう事とかもありますよね(自分のはそんなに大きくないですけど)

    今回の記事でTanacさんのように少しでも自分の運転を見直していただくきっかけづくりが出来たのであれば、それがきっと子どもたちの未来を守ることに繋がると信じております。

    ちなみに私は子どもは軽視していないつもりですが、アフターのバスの気持ちはなかなかつかめないです!!笑

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