昨日、信じられない情報が私のもとに入ってきました。
「大沼荘、今日で終わりにするんだって…」
これまでお世話になってきたボート店である大沼荘。閉店は本当なのか?
店主である大沼さん(=おっちゃん)に実際に話を伺ってきました。
私の仕事が終わり、千代田湖畔についたのは17時30分過ぎ。
秋も深まり、あたりはすっかり暗くなっていましたが、大沼荘の桟橋を見ると第一桟橋(バサーが利用している桟橋)には20艇ほどのボートが結ばれていました。
通常なら6艇くらいしか結ばれていない桟橋です。その普段とは違う光景に、いよいよそれが本当なんだなと実感しました。
おっちゃんがいる場所に向かうと、「おぉ佐藤さんか。」といつもの感じ。私が「仲間内からやめるって聞いたんで…」と言うと、「そうなんだよ。ちょっと中に入れ」と中に入らせてもらい、改めて話をしました。
「体調が悪くてな。それに目がもうほとんど見えんだよ。これでボート乗ってる人に何かあっても助けてあげられんだよ。それじゃあダメだと。」
これがおっちゃんの閉店の理由でした。たしかに御年74歳。無理もないのかもしれません。
大沼荘のバサーは千代田湖の中ではマナー(特にライジャケ)は良いアングラーが多いと思っています。でも最悪の事態に何かがあった時は分かりません。それは大沼荘に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
10/19にはボートを全部陸にあげて、桟橋も片付けるとのことです。
そのまま話はおっちゃんが大沼荘を初めた頃の話に。
38年前、自分で小屋を建てたこと、趣味であった狩猟で狩ったシカやクマの肉を振舞ったこと…などなど昔を思い出すように話してくれました。
そしておっちゃんはこんなことも。
「千代田湖はいいとこだろう。おっきいバスも釣れるしな」
「そうですね。僕は大好きですよ」
「おにいちゃん、ブラックバスって何がおもしろいだ?」
この質問、釣りに興味がない人やキャッチ&リリース意味不明って思ってる人には、適当に答えるんですが、今回は真剣に話しました。
「そうか、そうか。おにいちゃんは本当に好きなんだなぁ」
嬉しそうにうなずいてくれました。
私は最後に、おっちゃんに聞いてみました。
「ボート屋やって、楽しかった?」
「あぁ、楽しかったよ。好きなことをたっぷりやれて良かったよ」
ということで大沼荘は38年間の歴史に幕を下ろしました。
当たり前だった光景がなくなることに今は寂しさしかありません。
ただ今は、これまで楽しませくれたこと、そして私たちを温かく受け入れてくれていたことに感謝したいと思います。
おっちゃん、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした!
さてこれまで千代田野郎は大沼荘を会場に開催させてもらっていました。
ですがこの閉店をうけまして、現時点では開催の方向ではいますが、ボート店が変更になることは必須です。こちらは改めて調整してからのご報告となります。よろしくお願いします。
それでは!
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RYoさん、お疲れ様です。
感慨深い話ですね。時代なんだろうか・・・
ボート屋に限ったことではない話ですよね。
事業継承がなされず止む無く店を閉めることって
我々が「寂しい」「困る」なんて単純な想いで
多分表現出来る話じゃないのでしょうね。
閉める決断にたるや、本当に悩まれたはずですよ。
せめて、我々ユーザーは当たり前の景色が、決して
当たり前の上に成り立っているのではないことを認識して
我々が出来ることは何かを常に慮っている必要があるよね。
本当にお疲れ様でした。
永地さん、コメントありがとうございます。
おっしゃる通りですね。対象にしている魚もまた然り。
今、楽しませてもらっている環境を改めて大事にしないといけないなと感じます。
この店主にだいぶお世話になりました。どこか哲学者で。お酒が好きだったなぁ。
いい思い出ばかり。感謝です。
コメントありがとうございます。
私は出会ったのはほんの数年前ですが、まこさんのようにそれぞれの色々な思い出の中にいる方なんですね。
やっぱり寂しさがありますね…
20年くらい前に、埼玉からよく伺っていました。気さくで、どこか江戸っ子気質の奥さん。
なんか、哲学者みたいな店主。人と道を語る方でした。店の前で野宿させて頂いてお世話になりました。
長い間ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
閉店直後にお話させてもらった時も、これまでの道のりを嬉しそうに、しかしどこか哲学的に話してくださいました。
野宿も笑って受け入れてくれそうな方ですよね。理解してくれるというか…